「ここのあーとはヒトアジ違う ~ここあーと~」は、愛知県豊川市の桜ヶ丘ミュージアムを舞台に開催される、境界線のないアート展です。
世の中には、障がいのある方が描く表現を「障がい者アート」「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」と呼ぶ言葉があります。しかし私たちは、それらすべてを等しく「ユニーク・テイスト(独自の味わい)」として捉えています。
ここには、プロもアマチュアも、大人も子供も、障がいの有無も関係ありません。あるのは、一人ひとりの内側から溢れ出す、純粋で力強い「表現」だけです。
SECTION 01
3歳の頃、私は「緑色の空を飛ぶ虹色の魚」を描きました。自分の中では最高にワクワクする世界でした。しかし、教育という名の「正解」は、その魚を水の中に閉じ込め、たくましいヒレの描き方を教え、新しい綺麗な紙に青い海を描くように選択させました。「こう描くのが正しいんだよ」という言葉は、一人の少年の筆を折り、その時間を数十年にわたって止めてしまったのです。
アートに正解はありません。
「うまい」か「下手」かという物差しも、本来は必要ありません。
「ここあーと」が目指すのは、かつての私のように、誰かの評価を恐れて筆を止めてしまった人たちが、もう一度「自分だけの空」を描ける場所になることです。
あなたが描いたその一線、あなたが選んだその色は、世界中であなたにしか生み出せない大切な「アジ」です。その個性を誰かに合わせる必要も、正解に寄せる必要もありません。ありのままの自分を表現し、それを誰かが受け止める。その瞬間に、止まっていた時間は再び動き出します。
SECTION 02
私たちは、誰もが表現者であると考えています。
自分だけの感性を形にすること。そして、他者の表現に触れ、自分とは違う感性を持つ誰かの存在を「ヒトアジ違う良さ」として尊重すること。
このアートを通じたささやかな対話は、インクルーシブな社会【誰もが排除されず、自分らしく居られる場所】を創り出す確かな一歩になると信じています。会場に並ぶ多様な作品たちを眺める時、私たちは気づかされます。正解のない表現が混ざり合うことこそが、この世界を豊かに彩っているのだと。
SECTION 03
「やってみたいけど、自信がない……」
そんな風に躊躇している方にこそ、この場所の空気を感じてほしいと願っています。
「ここあーと」は、単なる展示会ではありません。
表現者が自分の価値を再発見し、作品が「知的財産」として社会に認められ、新しい自立の形に繋がっていく。そんな、表現者の未来を拓く「スタートライン」でありたいと考えています。
展示室に一歩足を踏み入れれば、そこには言葉を超えた対話が広がっています。
作品から溢れる生命力に触れ、あなたの心にも新しい「アジ」が生まれることを願っています。